どうも、家計改善コンサルタント「のーまねー、のーふりーだむ」です。
実態はニートなので毎日インターネットで遊んでいるのですが、近頃は「ブログで100万円稼ぎました!」「アフィリエイトで300万円稼ぎました!」みたいな景気の良い話をよく目にします。
一昔前と比較するとインフレ気味というか、最近だと2日に1回くらいは見るレベルでネット長者が誕生しています。
一方で、私のように「貯金が5,000万円を超えました!」みたいなブログは全く見ません。
たしかに自分でも趣味が悪いなとは思いますけど、そういう問題だけじゃなくて、みんな貯金よりも収入の話の方が好きなんです。
家計におけるフローとストックの意味
一口にお金と言っても、お金にはフローとストックの概念があります。
格好良く英語で書きましたけど、企業であれば損益計算書(収益・費用)がフロー、貸借対照表(資産・負債・資本)がストックを表すそれですね。
代表的な2つの財務諸表ですが経営状態を知るためにはどちらも大事ですし、常識あるビジネスマンであれば企業の株を買う時とか就職する時とかにどちらか片方しか見ないなんてことはありえません。
それなのにも関わらず、一般的な個人がする「(家計における)お金の話」ってフローの話に偏っているような気がしました。
家計におけるフローとストックを意訳すると、フロー=収入(と支出)、ストック=純金融資産(と借金)みたいな感じになると思います。
例えば、合コンで冗談のつもりなのか年収を聞かれたことは何度もありますが、純金融資産を聞かれたことはたったの一度もありません。
どちらも初対面の相手に対してするのは失礼な質問だと思いますけど、そのことは置いておきます。
女性であれば妊娠や出産で働けない期間があったり、子育てに専念したいとか働くのがダルいとかで専業主婦になることも往々にしてありますし、パートナー候補の財政状況は生存する上で重要な情報ですから。
ただ、そうであるならば、年収だけではなく純金融資産も質問するべきでしょう。
「え、フローだけならまだしも、フローとストックの2つを聞いたら失礼過ぎて嫌われちゃう・・・」という二者択一問題であれば合理的な質問は断然後者ですし、どちらか1つを聞く時点で嫌われますので心配もいりません。
ストック(と年齢)さえ分かれば、フローについてはアベレージが丸裸です。
年収だけで男性の経済を判断するのは、企業の売上だけしか見ずに株を買うのと同じくらいデンジャラスな行為だと言えます。
「旦那に多額の借金があることを結婚してから知った」みたいな話もありますが、常識あるビジネスウーマンであれば回避可能な悲劇なのです。
フローとストックの違いは価値変動性
フローもストックもお金ですが、その性質は違います。
このご時世、収入の安定、収入の増加(減少)なんて最早まやかしに過ぎません。
大企業に勤務しているサラリーマンですら10年後のことはさすがにわからないでしょうし、私も含めて「ブログで100万円稼ぎました!」「アフィリエイトで300万円稼ぎました!」みたいな輩については1年後のことすらわからないのです。
一方で、手元にある1万円は50年後も1万である可能性が限りなく高く、そう信じる人が多ければ多いほど1万円は尚も1万円であり続けます。
しかも、確かな金融リテラシーで預ける場所さえ間違わなければ自動的に自己増殖していく優れものときました。
フローとストックがどちらも大事なのは変わりませんが、収入よりも純金融資産の方が(基本的に減らないし、むしろ増えていくという意味で)価値変動性は低いわけです。
私の場合、今年はサラリーマンもやっていたので年収は2,000万円くらい、それが高い方だなという認識はありますが、1ヶ月後のことすら不透明なので一時的なフローの増加には全く価値を感じていません。
でも、ストックで5,000万円には小躍りすらします。
不確実な社会では、価値が担保されていること以上に貴重なことはないでしょう。
「さぁ、そうとわかったら守銭奴の如くお金を溜め込もう!」みたいな話をしたいわけじゃないですよ。
そもそも、大前提として最初は収入を力強く増やさないといくら節約したところで貯金も増えません。
たくさん稼いで、たくさん消費する、これ自体は幸福度にも影響しますし、ドンドンやった方が良いと思います。
ただ、いつも収入を使い切ってしまうような生活をしていると、場合によっては借金体質になってしまったり、収入が減少した時に辛い思いをすることになるので、それだけは気をつけましょう。
一度上げた生活レベルを下げるのは大変ですし、何よりも惨めですから。
フローをストックに変え、ストックから収入を生み出す
(起業して成功するような人種は例外として)私達のような庶民が経済的な豊かさを手に入れるためには、どこかでフローをコントロールしてストックに変化させる作業が必要になります。
フローをストックに変え、積み上げたストックからフローを生み出す、この繰り返しです。
そして、年収が高いとか低いとかじゃなくて、ストックから生まれたフローのみで生活している人種のことを人々は「お金持ち」と呼んでいます。
国内最大手のシンクタンクである野村総研は「富裕層」の定義を純金融資産1億円以上としていますが、それは働かずに生活できる「お金持ち」の入り口を意味していているのです。
資産運用をする場合、年利5%の利回りというのは極めて現実的な数字ですが、純金融資産が1億円あればそれだけで500万円の不労収入、税引き後でも400万円の不労所得が入ってくる計算になります。
純金融資産が2億円ならその2倍、こうなったら死ぬまで好きなことだけして過ごすもよし、更なる高みを目指すもよし。
資本主義の世界では、一度でもある程度まとまったストックを手に入れた(且つ最低限の金融リテラシーがある)人間は生涯お金に困ることがなくなるわけです。
アリとキリギリスよろしく、若い時こそ努力をして収入を増やし、資産を築くべきでしょう。
最後に
とはいえ、誰にとってもった一度の人生ですから、若いうちからお金のことばかりを考えて生活する人生はさすがに面白くありません。
私も趣味の海外旅行には年5回くらい行きますし、独身・一人暮らしなので食事は全て外食、普段は酒とタバコとギャンブル三昧という有様で、無職なのに節約とは程遠い生活をしています。
ただ、会社も辞めちゃいましたし、家計の三大支出である家と車と保険については分相応を心掛けているつもりです。
毎日セコセコとお金のことばかりを考えるようなことはせずとも、インパクトの大きいポイントさえ抑えておけば、あとは勝手にストックが増えていきます。
まー、高い家を買ったり、高い車を買ったり、高い保険に入ったり、思いっきり使って世界の経済に貢献したって良いと思いますし、むしろ経済の低迷する日本においては本来あるべき態度です。
高い家も高い車も高い保険も、瞬間的には購入することで幸せになれる可能性が間違いなく高くなります。
でも、お金と違って勝手に自己増殖することはありません。
何を捨てて何を得るのか、いつだって選ぶのは自分自身です。
コメント
「20代(ほぼ30代)で貯金が5,000万円を突破しました」の記事でコメントをしましたあばれると申します。
ジョークの切れ味が良すぎてコメントせずにはいられませんでした。笑
この視点は仰る通りですね。対企業であればBSの健全性を見るのに、対個人になると収入は聞いても純資産額は住宅ローンとカード発行を除いて持ち出されずに、代わりに巷では年収ばかりが物差しになりますね。
私も前回のコメント時は
29歳6ヶ月で純資産が3,300万円でしたが、それから3ヶ月経って株高の影響もあり、
29歳9ヶ月現在、純資産は3,650万円まで増えてきました。
私の場合は専業主婦世帯なので支出もそれなりにあれですが、あなたのように5,000万円の景色を見れたらと思いますが、背中は遠くなるばかりです。
あばれるさん さん
コメントありがとうございます。
前回のコメント、鮮明に覚えております。
お蔭様で、私は名実ともに30歳になりました。笑
背中は遠くなるばかりと仰いますが、サラリーマンをやりながら3ヶ月で350万円増とか凄過ぎます。
20代なら完全にトップクラスだと思いますし、素晴らしいの一言です。
私なんて計算したら100万円くらいしか増えてません、しかも事業所得なので課税前の数字でコレですから。汗
一応はインデックス投資をしているのですが、直近3ヶ月ではプラマイゼロみたいな感じです。
やはり投資についてちゃんと勉強しなくちゃですね・・・。
今度、教えて下さい。涙