男性アイドルグループの“嵐”が2020年末で活動を休止するということで、ちょっとした社会現象になっています。事の発端はリーダーの大野智さんだったそうです。
「自由な生活をしてみたい」
彼は日本を代表する人気アイドルグループのリーダーであることよりも、日々の自由な生活を選びました。ニュースによると彼は数年前から“嵐”の活動休止を希望していたらしく、その心中を察するとファンでもなんでもない私ですら胸が熱くなります。
彼にとって「自由な生活」は全てを投げ出してでも手に入れたいほど価値のあるものだったわけです。
自由の価値はいくら?
年に数回ですが、サラリーマン時代の元同僚から「会社を辞めたいんだけど・・・」みたいな話を聞かされることがあります。私が人生の進路を相談するに値する人間だからというわけではなく、一足先に世捨て人のような生活をしているからというだけのことです。
最初の頃は、会社を辞めたい理由とか、その先のこととか、ちゃんと詳しく聞いた上で無い知恵を振り絞り、できるだけ保守的な意見を伝えていました。もし会社を辞めて何か困るようなことが起こったとしても、責任を取ることはできないからです。
実際には私の意見なんて関係なかったと思いますが、大半の人が会社を辞めることはありませんでした。
しかし、しばらくして会社を辞めなかった人達と再会すると、あの時と同じように悩んでいるのです。あの時と同じように仕事がつまらないと言うのです。
もはや時間が解決してくれることはなく、本人にとっては構造的な問題なのかもしれません。一方、数少ない会社を辞めた人達はそれなりに楽しそうに生きていることにも気付きました。
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最近は、「会社を辞めても大丈夫だと思うよ」と正直に言う機会が増えました。決して面倒臭くなったからではありません。
人生の進路に関して、ついつい私達は正解・不正解を年収や社会的地位の高低に求めてしまいがちです。特に、一度でも手に入れたものを失うことに対しては強い恐怖を感じます。これは保有効果という現状維持バイアスの一種です。
しかし、私達が当たり前に大切だと信じている価値観も実は非常に儚いものだと思うことがあります。仮に収入が減ったとしても、自分の意思で選んだ道であれば後悔することはないということも周囲の人間を見ていればわかります。
日本を代表する人気アイドルグループのリーダーですらそのポジションを捨て去ることを厭わないのに、私達のように失うものなんてほとんどない人間が何を恐れる必要があるのか・・・。
守りたいものが増えれば増えるほど不自由になります。もちろん、今持っているものにどれだけの価値があるのか、それを決めるのは他でもない自分自身です。但し、バイアスがかかりやすいということは知っておくべきでしょう。
ふと、「あなたは会社を辞めない方がいいかもしれない」と冷たく突き放してしまった元同僚達の顔が頭に浮かびます。彼等にとって自由の価値はいくらなのか、そんなことを考えました。


今日は以上です。
コメント
初めまして、人気ブログランキングから来ました。タイムリーな話題ですね~自由の価値って難しいですよね~それこそ考え方次第ですもんね~男性は家族が居れば仕事を辞めるって決断は本当に一大決心でしょうね~ポチっとして帰ります。
ハッピー さん
コメントありがとうございます!
はい、十人十色だと思います。
自分の価値を自分で測ることって難しいですよね。
嵐の活動休止のニュースを観て、私も大野君やメンバー4人の思いを考えると胸が痛くなりましたが、淋しくなるというよりも、ゆっくりと自分の人生を楽しんでほしいなぁと思いました。
yuko さん
コメントありがとうございます!
はい、リーダーの大野智もそうですし、みんな幸せになって欲しいです。
こんにちは。
松千代です。
「自由」本当に憧れますね。
自由に生活ができる人なんて、一握りの人だけで、ほとんどの人は皆、毎日精いっぱい生きていると思います。自分の時間なんて、なかなか取ることができないのが現状だと思います。
そして、「守りたいものが増えれば増えるほど不自由になります」というコメントも身に染みて感じますね。。。
松千代 さん
コメントありがとうございます!
仰る通りだと思います。
だからこそ、自由には至高の価値があるのではないでしょうか。