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新入社員時代の思い出 ~それぞれの道を歩む勇気編~




 

先日、友人の結婚式に行ってきました。新郎は元・勤め先の同期です。

 

 

披露宴中、私達の前では照れ隠しのようにはにかんだ笑顔を浮かべていましたが、高砂に座っている彼の顔つきはとても凛々しくて、男として1つのケジメをつけた格好良さがありました。

 

新婦とは新郎を通して何度か会ったことがあります。元々とびきり美人な方ですが、その日はいつにも増して綺麗でしたし、なんだか安心したような様子が穏やかな表情から伝わってきました。

 

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彼と初めて出会ったのは入社1年目に行われた研修の時です。新入社員に対する研修は入社から数ヶ月にも及ぶため、内容についてはほとんど忘れてしまいましたが、その日に行われたグループディスカッションだけは今でも覚えています。

 

その日は講義のようなものを受けさせられた後、もうすぐ定時という頃に新入社員が何人かずつに分けられてとある議題を与えられました。

 

仕事をするということについて、給料をもらうということについて、話し合って下さい。

 

まだまだ学生気分の抜け切らない新入社員に、社会人としての自覚を持たせることが目的なのでしょうか。もしそうだとすれば、あまりにもつまらない研修です。

 

グループディスカッション中は人事がこちらの様子を見ているので、多くの新入社員は当たり障りのない発言しかしません。しばらくすると、私の順番が回って来ました。

 

私「仕事とは価値をつくりだすことで、給料とは生み出した価値の一部をもらうことだと思います。」

 

もはや何も言っていないに等しいですが、そこは重要ではありません。これは一種の儀式なのです。とにかく早く帰りたい、私は終わりの見えない研修にウンザリしていました。

 

そんな中、彼の順番が回って来て、誰よりもダルそうに話し出します。

 

彼「仕事というのは……苦痛を伴うものだから……できればやりたくないものだと思う。だから……給料というのは……会社からの慰謝料みたいなものだと思う。」

 

すぐ隣にいた人事は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしています。周りのみんなはどう反応しようか考えているようでしたが、私は気を抜いていたせいで笑いを吹き出してしまいました。

 

意図せずみんなの視線が私の方に集まってしまったので、慌てて真面目な表情に戻します。

 

私「すいません、ユーモアがあって面白いなと思いました。」

 

今考えると別に面白くもなんともないのですが、とにもかくにも周りのみんなが彼のユーモアに気付いたところでグループディスカッションは終わりました。

 

直感通り、私達はすぐに仲良くなります。プライベートでも一緒に遊ぶことが多くなり、休みが合えば(男2人で気持ち悪いかもしれませんが)旅行にも行きました。

 

私達はどうも会社や仕事に対して冷めているようなところがあって、2人でいる時は会社や仕事の話はほとんどせず、投資や副業の話をすることが多かったです。私は彼のそういうところに居心地の良さを感じていました。

 

お互い、直接口に出すようなタイプではありませんでしたが、なんとなく相通ずる雰囲気があったと思います。もちろん、一般的に褒められたものではないこともわかっていました。

 

—–

 

そんな彼から結婚の話を聞いた時は、仲の良い友人の幸せを祝福する気持ちはもちろんですが、同時にあれから長い時間が経ったんだなということを思い出しました。

 

本来、彼は頭の良い男です。仕事は非常に順調そうでしたし、会社からも高い評価を受けています。大企業の場合、まだまだ先は長いのも事実ですが、出世コースというものがあるとすれば、それに当たるでしょう。新入社員時代とは違い、守るべき家族もできました。

 

一方、私は副業で生活できそうな目処が立ったため早々に退職してしまいました。もういい年齢なのに未だに独身ですし、現在ではセミリタイアなどと称して際限のない自由を追い求めています。自ら望んでやっているとはいえ、傍から見ればプー太郎です。

 

彼の人生は(もちろん、それなりの悩みはあるとしても)順風満帆ですし、対する私がどうなのかはよくわかりませんけど、若い頃に抱いていた夢の1つを叶えました。

 

それぞれ、得たものもあれば、失ったものもあると思います。会社を辞めるのに勇気が要るとすれば、会社に残るのもまた勇気が要るのです。

 

この話にオチはありません。最初は「セミリタイアと結婚」にでも繋げようと思っていたのですが、書いているうちにその気が失せてしまいました。

 

あれから長い時間が経ったというだけのことです。私のように想像力の乏しい人間は、そんな当たり前のことすらも他人を通して知ることがあります。

 

友人のいいところは同じ時間を共有できることだけではなく、全く違う人生を疑似体験させてもらえることにもあるのでしょう。

 

今日は以上です。

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