バブルがいつ崩壊するか予測するのは誰にもできない。
ただ、過去のバブルは例外なくはじけている。
ジョン・ケネス・ガルブレイス
ビットコインをはじめとして、高騰を続けていた仮想通貨が急落しました。
2017/5/27 19:30時点(https://www.coingecko.com/ja)
週末だというのに市場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化していますが、それでも数週間前の水準に戻ったに過ぎません。
直近の異常な上げ方を鑑みれば、暴落と言ってよいのかどうかすら微妙なところでしょう。
先日、ビットコインで人生逆転を決意した友人の生存も確認できたので一安心です。
金融・経済に疎く一般的な投資すらしたことのない友人が「同僚がビットコンで4千万儲けたらしい。オレはビットコインに人生を賭ける。」と言い放ち、本日無事に取引所の口座開設まで辿りつきました。仮想とか、通貨とか、知ったこっちゃありません。そこにあるのは男のロマンのみ。仮想通貨元年です。
— のーまねー、のーふりーだむ 管理人 (@nmnfcom) 2017年5月10日
一生に一度あるかないかの異常な相場に多くの人々が熱狂し、更なる高騰の呼び水となっていました。
これがバブルなのかどうか、これから上がるのか・下がるのか、それは後になってみないとわかりません。
先見の目を持って早くから保有していた人には祝福を、今からリスクを取って参入する人にはエールを送らせて下さい。
仮想通貨については門外漢ですし、知ったかぶるつもりもないのですが、ビットコインの思想には共鳴する部分もあります。(リバタリアン寄りなので)
ブロックチェーンの技術的な安全性は 〈時代遅れな金融機関のそれよりも〉 高いと理解できますし、通貨としてのビットコインがいつでもどこでも自由に〈国家に管理された不自由なドルや円よりも〉流通する夢のような世界には美しさを感じるのです。
ただ、美しいからと言って騒ぎ過ぎた結果、本当は美しいと思っていない人々まで群がってきました。
そして、その光景はとても汚いものでした。
美しい花と、そこに群がる汚い虫
17世紀、オランダが貿易・科学・軍事・芸術で世界から最も賞賛されていた頃、チューリップの価格が異常に高騰しました。
俗に、観測史上では世界最古のバブルだったと言われる「チューリップバブル」です。
かねてからチューリップの栽培・観賞が盛んだったオスマン帝国からヨーロッパへと輸入されたチューリップを見たヨーロッパ人は、他の花にはない鮮烈な色味に魅了されました。
その変わった花を見て美しいと感じ、この変わった花には価値があると感じたのです。
球根の値段は跳ね上がり、そのうちチューリップを実際に見たことすらない投機家までもが売買に参加することで瞬く間に高騰します。
気付けば球根1個の値段が(当時としては高給取りであった)熟練職人の年収の10倍以上になっていました。
チューリップバブルのピーク時、種類によっては球根1個で50,000平方メートルの土地と交換されたという逸話もあるそうです。
しかし、このようなバブルはそれを欲しいと思う人々がいなくなった途端にはじけてしまいます。
いつしか高騰し過ぎた球根を求める買い手が出現しなくなり、はたと宴は終わりました。
買い手を見つけられなくなった売り手は投げ売りを始め、チューリップの値段は暴落したのです。
もちろん、値段が下降する時のスピードは上昇していた時のスピードより速かったことは言うまでもありません。
1630年代に起きた、美しい花と、そこに群がる〈欲にまみれた〉汚い人間達の悲しい物語です。
チューリップバブルは話としても面白いですし、示唆にも富むことから現在でも色々な場面で語られます。
日本でも1990年末のバブルピーク時、国内全体の地価がアメリカ全体の地価の4倍にまで高騰しました。
普通に考えれば馬鹿げているなと感じてしまいますが、人々の異常な熱狂に支えられたバブルとはそういうものなのです。
チューリップ自身はそんなこととはつゆ知らず、あの時と同じように美しいままなのですが・・・。
ビットコインだって、その崇高な理念に変わりはありません。
最後に
まったく、人の心は移ろいやすくて困りますね。
繰り返しますが、これがバブルなのかどうか、これから上がるのか・下がるのか、それは後になってみないとわかりません。
「believe me !(私を信じて!)」
西洋における赤いチューリップ(Red Tulip)の花言葉です。
チューリップ自身に罪はないとしても、皮肉にしか聞こえません。
こういう時こそ、いや、本来であればいつだって、他人ではなく自分自身を信じて行動しましょう。
「believe yourself !」
もしかしたら、最後の買い場になる可能性だってあるわけですから。
今夜も仮想通貨で消耗する全ての勇敢なギャンブラー達に乾杯。
今日は以上です。
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