資産運用のゴールはどこにあるのでしょうか。
答えは人それぞれですが、私の場合は配当金生活(早期セミリタイア)がそれに当たります。株の配当金や債券の利子だけで生活費の全てを賄えるようになれば、経済的には自由です。
そうなれば、好きな時に好きなことができます。仕事を続けても構いませんし、元本を取り崩しませんので寿命を気にせず死ぬまで遊んで暮らしても構いません。私なら後者を選びますが、どちらを選択するのも自由です。
倹約家であれば純金融資産5,000万円辺りから資産運用だけで生活できる光が微かに見えてくると思います。最低限度の生活かもしれませんが、5,000万円を5%で回せば毎年250万円の不労収入が得られるからです。
現在、米国の30年国債利回りが3%強ですから、これ以上の利回りを得るためには相応のリスクを背負う必要があります。それでも、5%というのは十分に現実的な数字だと言えるでしょう。
ここで問題になるのは配当金生活の原資です。若い頃の私がそうであったように、多くの場合はここで躓きます。
信用取引を活用した配当金生活(早期セミリタイア)
5,000万円貯めるまで配当金生活・早期セミリタイアは絶対にできないのかと言うと、その半分(2,500万円+α)くらいの自己資金があり、多少の無茶をする覚悟があれば可能性はあります。すぐに思いつくのは信用取引を活用したものです。
信用取引と言うと危険なイメージがあるかもしれませんが、要するに借金をして投資をするわけですから、それなりに危険です。借金には利子もかかります。ただ、決して荒唐無稽な話ではないと思います。
不動産ローンというハイレバレッジな取引で夢のマイホームを手に入れることが許されるのであれば、信用取引で資産運用の(そして、人生の)ゴールを目指すことも許されるべきです。
簡易的にシュミレーションしてみます。
海外証券口座×信用取引×高配当ETF
日本の証券会社は信用取引の金利負担が大き過ぎて話になりませんので、米国のIB(インタラクティブ・ブローカーズ)証券を利用しましょう。日本人でも問題なく口座を開設できます。
現在の円は史上空前の低金利です。IB証券なら1,100万円までは1.5%、1,100万1円から1億1,000万円までは1%の金利でお金を貸してくます。
■証拠金ローンに掛かる支払金利
JPY 0 – 11,000,000 1.5% 11,000,000.01 – 110,000,000 1% 110,000,000.01 – 20,000,000,000 0.5% 20,000,000,000.01 0.5%
これで円キャリートレードをするわけです。
IB証券では自己資金の2倍まで株や債券を購入できます。例えば2,500万円+αの自己資金があれば5,000万円まで購入できるということです。+αは証拠金として残しておきましょう。(ロスカットされないように)
■有価証券の委託証拠金と維持証拠金
米国では、連邦規則T(Fed’s regulation T)によって、投資家は購入する有価証券価格の50%までを借り入れることが可能になっています。投資家が支払う必要のある有価証券価格の割合を委託証拠金といいます。信用買いを行うには、投資家は初めに入金もしくは的確な有価証券を預け入れて委託証拠金額を満たす必要があります。
出典:https://www.interactivebrokers.co.jp/jp/index.php?f=marginJP
ほとんど全力で信用取引をするわけですから、個別株のようにボラティリティの高い銘柄に集中投資をするとロスカットされてしまう可能性が高くなります。
そこで、平時はほとんど値動きのないiシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF) にでも投資をしましょう。この10年間、リーマンショック時を除けば35ドル~40ドルのレンジに収まっています。分配金利回りは5.60%です。タコ足ではありません。
シュミレーションの自己資金は2,500万円+αですが、信用取引によって5,000万円分のPFFを購入します。毎年の配当金(分配金)を円換算すると、2,500万円×2倍×5.60%=280万円になります。
IB証券に支払う金利は1,100万円×1.5%+1,400万円×1%=30.5万円ですが、それを引いても249.5万円が手元に残ります。この際、非居住者になって税金はなくしてしまいましょう。
あくまでも思考実験ですが、レバレッジをかけて債券などを購入して高利回りを狙うような運用はヘッジファンドがよく使うらしいです。決して珍しい戦略ではありません。
投資の世界にうまい話はない
この記事を書こうと思ったきっかけはとある本の表紙です。
実を言うと読んだわけではないのですが、表紙で謳っている「元金5000万円で毎年500万円のリターン」の内容が気になって調べてみたところ、すぐに出てきました。
海外の生命保険やオフショア法人などの“複雑なスキーム”が出てきますが、やっていることはレバレッジをかけて米国のハイイールド債をロングしているだけです。プライベートバンクに勤めていた著者はこれを“杉山スペシャル”と銘打って富裕層に販売していたそうです。
米国のハイイールド債については上述したIB証券はもちろん日本の証券会社からも投資することができます(iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF(HYG)、etc )。現在の分配金利回りは5.12%ですので、「元金5,000万円に2倍のレバレッジをかければ5,000万円×2倍×5.12%=512万円」です。
これならIB証券の信用取引でも十分に実現できますし、リスクも同等です。手数料についてはプライベートバンクに依頼せず自分で運用した方が確実に安いでしょう。
投資の世界にうまい話はありません(たまにありますが、そのほとんどは知る由がありません)。高いリターンを出そうとすれば出そうとするほどリスクが高くなるというのはお約束です。
最後に
信用取引を活用した配当金生活(早期セミリタイア)がアリかナシかについては何とも言えませんが、投資は自己責任ですからリスクを承知の上でチャレンジするのは自由です。
配当金生活(早期セミリタイア)に限らず、IB証券は1.5%や1%という低金利でレバレッジをかけられますので、支払い金利以上の利回りを出せるのであれば資金効率が良くなります。過去、S&P500の長期リターンは平均10%近くありました。
個人的にも資金の一部でチャレンジしてみたいのですが、タイミングを見極めるのが難しいです。株についても債券についても、資産バブル真っ只中の今ではないかもしれません。私のような個人投資家がこのようなブログを書いている時点で天井感が漂っている気がするのです。
今日は以上です。
コメント
投資をするのは、なかなか勇気がいることだなぁと思います。
どうしてもリスクが大きいイメージがあって。
今はいろんな手段で資産を増やすやり方ありますが、選択肢が多すぎて、選び抜くのも大変ですよね。
地道に貯金するのが一番確実なのかなぁとも思ったりします。
yuko さん
コメントありがとうございます!
仰る通り、投資にリスクはつきものです。
貯金にもインフレ等のリスクはありますが、精神的には良いかもしれません。