口に出して言う・言わないはアレですが、セミリタイアに憧れている方は多いと思います。
私達の心と身体は週5日×8時間(もしくは、それ以上・・・)の労働が過剰であることを知っているからです。
どれだけ社会の在り方が変化したとしても、人間の本質的な部分は昔から変わりません。
日本人の場合、セミリタイアという選択肢を人生設計の手段として準備している・していないの問題はあるでしょう。
なんとなく、みんながそうしているから、よくわからないまま、ダラダラと定年まで会社で働き続ける人生が一般的かもしれません。
対して、欧米人が僅かな資金でもフランクにセミリタイアしまくるのは、日本(日本人)よりも遥か以前から「自由」や「良い人生」について考えてきた歴史があるからです。
もとい。
セミリタイア自体は簡単だけれども
セミリタイア自体は非常に簡単で、特別な能力も努力も必要ありません。
極貧生活を受け入れることさえできれば、週2,3回のアルバイトで生活費を稼ぐことも不可能ではないでしょうし、最悪の場合、我が国には生活保護だってあります。
もはや頓知に近いですが、上記を考慮すれば理論上は貯金0円でもセミリタイアできるわけです。
本日、“それ”を地で行くような「早期セミリタイアのすすめ」という増田(はてな匿名ダイアリー)がはてブで人気エントリーに入っていました。
5年前、40歳で早期セミリタイアに入った。
諸事情があってその時点で持っていたのは現金1600万円のみ。
年金は国民年金を全納すれば月10万円は65歳から受け取れる見通し。
独身、子なし。
まず中古公団団地の一室を購入した。
築45年だったが、メインテナンスはしっかりしてあって、まあ、二十年、三十年は問題なく住めそうだった。
ちなみに立地は首都圏の政令指定都市である。
エレベーターのない5階というのは難点だが、運動をしていると思えばいいだろう。ネットスーパーもあるし。
大型団地なので、役所や図書館、病院、公園、スーパーが整備されていて、環境はいい。
経費込みで200万円だった。管理費が月々2万3千円。
それまで住んでいたマンションの家賃が8万円だったので3年住めば十分に元は取れる金額だ。
首都圏にはこういう物件が多数ある。セミリタイアにおいて家賃はネックになるので、こういう物件を探して生活費を圧縮させたほうがいい。
1日10時間勤務夜勤の警備の仕事を週3日やっている。それで手取り13万円だ。
週休4日である。
・・・
数字で示した通り、私の条件は一般と比較して必ずしも良いほうではない。
それでも独身ならば、週休4日で無理なく暮らせているのだ。
若い人で結婚する気もなく子もいないならばもっと計画的に早期セミリタイアを狙ってはどうだろうか。
・・・
誰にも迷惑をかけていませんし、本人が幸せならそれで良いわけですが、個人的には全く憧れないのです。
「若いうちにセミリタイアしよう」と決めた学生時代の私が見たとしても、きっと心は躍らなかったと思います。
はてブのコメント欄も似たような感想が多数派でした。
以下、人気コメント(10)より。
「それはセミリタイアではなく、ただのワーキングプアなのでは?」という言葉が喉元まで出かかったが、増田が幸せならそれでいいか。
エレベーターなしの5Fって足腰弱ったらかなりやばそうだが。
将来について悪い方向に考えないのも一つの才能だからなあ。
- [web]
1ヶ月150時間働いていてセミリタイアというのか。金額的には13万円で、手取りの実質時給が866円。フルタイムの仕事ではなく自由に働く仕事にかえるという一つの形なんかね。
全然うらやましくなかった。現実は厳しいな。
セミリタイアのすすめと言うか、40代からのフリーターのすすめじゃないか?
週20時間以上働きたくない
夜勤の警備員かーー。10時間はつらい・・やっぱり難しいなあ・・。年取ったら、5階の階段はマジで詰むと思う。
早期リタイアと言うか引きこもりというか。まあ幸せの指標は人それぞれだわね。自分なら寂しくてあれだけど、ストレスはなさそうだなとは思う。
- [人生]
でも週30時間も働いてたらセミリタイアとはいえないなあ。しかも夜勤の警備とかいかにも労働っぽいことだとよけいにリタイア感がない。
やや少ないように見える貯金額(結果としての生活レベル)と、およそ楽しそうには見えない警備の仕事が、「憧れない」原因なのでしょうか。
繰り返しになりますが、あくまでも“個人的には全く憧れない”というだけであり、誰にも迷惑をかけていませんし、本人が幸せなら“それで良い”わけです。
第三者が「憧れる」「憧れない」は自分自身の人生にとって重要な問題ではありません。
幸せには絶対的なものと相対的なものがあるものの、認知の仕方は人によっても異なります。
理想のセミリタイアに思いを馳せる必要はないけれども
理想のセミリタイアに思いを馳せる必要もありません。(不幸になるだけなので)
より多くの方が憧れるセミリタイアの在り方について考えたとしても、「貯蓄10億円以上」みたいな話になってしまうでしょう
セミリタイアを目指すのであれば、自分自身の内面と向き合い、やはりどこかで折り合いをつけてエイヤ!と決断する必要はあるのです。
ただ、あくまでも個人的には、それがポジショントーク全開だとしても尚、以下の2つは抑えておきたいなと思っています。
貯金が5,000万円くらいはある
お金持ちの入り口は貯金1億円以上だと言われていますが、普通のサラリーマンが20代や30代で1億円を貯めるのは少し難しいかもしれません。
一方、普通のサラリーマンだった私でも貯金5,000万円くらいは貯められたので、副業や投資がワークすれば現実的な数字であることがわかりました。
貯金5,000万円というのは、運用だけで生活できるかもしれない?という希望が微かに見えてくるギリギリの金額だと思います。
上記で紹介した増田(はてな匿名ダイアリー)の書き手も私と同じくインデックス投資を実践しているらしく、5%(税引き後)の年利で回しているそうです。
もちろんリスクはありますが、多少の金融リテラシーさえあれば年利5%程度の運用はさほど難しくありません。
5,000万円×5%=250万円 ですから、決してゆとりのある生活は送れないかもしれませんが、やりたくもないアルバイトからは解放されるでしょう。
最後の箇所が重要だと感じていて、次に繋がります。
ライフワークみたいなものがある
セミリタイア後も無理のない範囲でボチボチ稼がなければいけないとしても、その働き方には拘りたいところです。
お金を第一義にする必要はないのですから、それをやること自体が自分自身の幸せに繋がるような仕事をした方がいいと思います。
セミリタイア後にやりたくもないアルバイトをして生活費を稼ぐということは、良い悪いは置いておいて、フリーターに過ぎません。
もちろん、それがやりたいことであるならいいと思うのですが、そうではなく時給1,000円や2,000円のために働くのであれば、あまりにも不自由です。
まだライフワークみたいなものを見つけていない場合、そんなことを急に言われても戸惑うかもしれません。
しかし、時間だけはあるわけですし、途中で変わっても別に問題はないので、探すのをやめてはいけません。
多くの場合、子供の頃の経験や趣味などから派生して見つかるのではないでしょうか。
セミリタイア自体は非常に簡単ですが、セミリタイア後に幸せなマネイタイズができるかどうかはまた別の課題であり、それは運と力量次第だと思います。
今日は以上です。
コメント
セミリタイア
考えさせられました。
独り身、子供なしなので、自分さえ食べていければと思って
必死で仕事をすることをやめましたが
社会との繋がりが希薄になる不安にかられ
やはり仕事をする生活に戻りました。
今は、収入の柱を複数にするために
勉強をしているところです。
またしっかり考えるきっかけになる投稿
ありがとうございました。
あまりる さん
コメントありがとうございます!
いえいえ、とんでもございません。。。
自分が幸せならそれで良いと思うのですが、自分にとって何が幸せなのかについては考える必要がありそうですね。